北アルプス国際芸術祭2017は長野県大町市を中心に2017年6月4日〜7月30日に開催された国際アートフェスティバルです。ちょうどその時期に長野県に旅行に行く予定があったので、北アルプス国際芸術祭2017開催箇所の近くの旅館に泊まっていろいろと見てきました。
あまりに沢山の作品(38作品)があるのと、作品同士の距離がそこそこ離れているため、車で行ったのですが、すべては回りきれませんでした。
でも実際に見ることのできた作品は素敵なものばかりでした。長野県の自然に芸術作品がとけこんでいて、そこらで簡単に見れるものではありませんでしたので、ここでご紹介したいと思います。
ちなみに次回は2020年に北アルプス国際芸術祭が開催される予定のようです。自然に囲まれて癒されたい方はぜひ行ってみてください。おすすめです。
1.北アルプス国際芸術祭の作品
北アルプス国際芸術祭2017は合計38作品がありました。今回実際に見ることができたのは8作品だけでした。
8作品見るだけでも朝から出発して、夕方くらいまでかかりましたよ。基本的に車で移動したのですが、作品を見るために最寄りの駐車場から結構歩くこともあるので、時間と労力がかかります。
でもそんな疲れも吹き飛ぶくらい素敵な芸術作品と自然のコラボレーションを見ることができました。
ちなみにレンタルサイクルもあるようです。
今回、北アルプス国際芸術祭2017の8作品を見るために車で移動した感じだと、作品と作品が結構離れていることもあり、個人的には車での移動の方がおすすめです。
2.実際に見た作品
北アルプス国際芸術祭2017で実際に見た8作品です。朝9時くらいだったかに出発して、お昼を挟んで夕方くらいまで見て回りました。
実際に見たのは下記の8作品です。次項でひとつずつ説明していきます。
- 風のはじまり
- 無限折りによる枯山水 鷹狩
- 信濃大町実景舎
- ベールの向こうに
- 雲結い(くもゆい)
- 水面の風景―水の中の光~山間のモノリス
- Trieb ―雨為る森―
- Arc ZERO
夏の暑い時期の開催なので、水分補給はしないと熱中症になりますので注意しましょう。ちなみに案内所?みたいなところで無料で水の入ったペットボトルがもらえました。
2-1.風のはじまり
「風」をテーマにして、森の木や枝を使った作品のようです。台湾と日本のスタッフが手作業で制作した直径30m前後の作品です。かなりでかいです。
とても素敵な作品なんですけど、結構歩くんですよ、駐車場から。森の中だから気持ちよかったですけど、凸凹道で足場は悪いうえに坂道・下り道のオンパレードです。駐車場から10~15分くらい歩いたと思います。
作品の場所についたら、なんだか巨大な枝の塊みたいなものがありますね。
なんかすごい。近づいてみるとこんな感じです。えっどうやって作ったのこれ?
中に入れるようなので入ってみると、こんな素敵なことになっていました。木の枝の隙間から木漏れ日が入ってきて、普段味わうことのない不思議な感覚でした。
中心はこんな感じになっていました。
これを手作りしてるなんて、いったいどれだけの労力と時間がかかったんでしょうか。すごいです。ちなみに北アルプス国際芸術祭公式HPの説明では下記の記述があります。
どちらも台風の通り道である台湾と日本の関係性とともに、人間と自然の生態学的バランスの重要性を表した作品。
作品にここまでのメッセージがあるなんて、芸術は奥が深いですね。個人的には説明読まないと芸術作品に込められたメッセージは読み取れる気がしません。
2-2.無限折りによる枯山水 鷹狩
信濃大町に住む作家が、伝統的な折り紙に「コイル折り」「平折り」「多重平折り」「無限折り」などのさまざまな技法やデザインを独自に開発して、枯山水の世界を表現した作品みたいです。
一枚の紙から造られたとは思えない作品でした。ちなみにこの場所は撮影NGだったので写真はありません。北アルプス国際芸術祭公式HPの「無限折による枯山水 鷹狩」に少しだけ写真があります。
2-3.信濃大町実景舎
鷹狩山の山頂から信濃大町の風景を眺められる、白い不思議な居心地の空間です。空間自体が作品のようです。
駐車場から結構歩きます。鷹狩山の山頂にあるわけですから、坂道が続いてなかなか疲れる場所にありました。入口は狭くて一人ずつ順番に入るように現地のスタッフが案内していました。
中に入るとなんとも不思議な雰囲気のなだらかな曲線で造られた空間が広がっていて、山頂なので町が一望できる窓からの景色がとても素敵でした。
壁も床も天井も白い不思議な空間に、窓から見える緑がとてもキレイです。
中は広くて人も結構いましたよ。2階もありました。ただ1階と違い2階は狭い場所が多いのと足場が悪いので子連れの場合は注意が必要かなと思います。
床も壁も天井も漆喰なんでしょうか?間仕切りがあるようで無い不思議な空間で、普段歩くことのない素材の上を歩く感覚はとても新鮮でした。
2-4.ベールの向こうに
日本に800万戸以上の空き家があることと、北アルプス国際芸術祭の舞台である長野県の木崎湖周辺にも空き家が多数あることに衝撃を受けた作家さんが、地域の人口減少をテーマとして造り上げた作品のようです。
この作品は個人的に見に行く予定はなかったのですが、木崎湖にある「雲結い(くもゆい)」を見に行く途中に偶然発見しました。
木崎湖のそばの駐車場から歩いていると5分くらいでなんだか白いレースのようなもので囲われている家が出てきました。
最初見た瞬間の感想は「なんだろうこれ?」です。家の補修中でシートがかかっているのかと思いました。北アルプス国際芸術祭公式HPには下記の記載がありますね。
空き家全体を透き通った白い布で覆って家の輪郭をやわらかくトレースし、建物をベールの向こうの彫刻のように見せるもの。建物の「魂」や空き家の持つ意味を、近代都市の持つ世界共通の課題として投げかけている。
やっぱり芸術は奥が深いですよね。深すぎます。どうやら自分の頭では理解しきれないようです。
ちなみに途中の風景です。湖と山と空、とっても素敵でした。
途中湖のそばに泊まっている軽トラックに誰か乗っている??
横から見るとアヒルさんたちがチュッとしてました。素敵やん。
2-5.雲結い(くもゆい)
北アルプスの山間に暮らす信濃大町の人々と、協働で組紐を組んだ作品のようです。人と人とのつながりや相互扶助=“結”を通じて命をつないできたことを表現している作品です。
ここにたどり着くまで結構歩きました。木崎湖の駐車場から15分から20分くらいでしょうか。この道で合っているのか不安になるような凸凹道や草が生い茂った橋を進みました。
そしてようやく到着。まず「結い」を表現しているのでしょうか、作品の前に毛糸が素敵な感じで置いてありました。色合いも素敵です。
そして奥にある作品に近づいてみます。周りが湖で柵もないので少しでもつまずいたら湖に落ちます。でも近くからみた作品は圧巻でとても素敵なものでした。
移動中は結構晴れ間が広がっていたのですが、「雲結い」の場所に到着するまでに曇ってきてしまいました。もうちょっと雲が少なくて青空が広がっていたら最高の写真が撮れたと思います。
北アルプス国際芸術祭公式HPには下記の記載があります。
垂直方向に異なる世界ヘとつながっていくという山岳文化の精神性の表現であり、また、北アルプスの雪解け水がやがて空ヘと還るという、大自然の循環のイメージの表現でもある。
書いてあることも素敵ですね。
2-6.水面の風景―水の中の光~山間のモノリス
数年前までゲンジホタルが飛び交っていた大出ホタルの里に、再びホタルを飛翔させて水をめぐる文化·歴史·環境を呼び戻すための作品を2014年から制作しているようです。
ここから先へ進んではダメみたいな雰囲気を出しているフェンス?がありますが、北アルプス国際芸術祭2017の案内が貼ってあります。この先に作品があるようです。
進んでいくと水があふれ出てきている作品がありました。中央の部分から水が出てきていました。
さらに進むともう一つありました。
進むとさらにもう一つありました。
全部で3つの作品がありました。自然の緑の中に石で造られた水場があって、不思議な感じでした。夜は確認できませんでしたが、実際にホタルはいるんでしょうか?
もしホタルが戻ってきていて、夜にこの素敵な水場3か所を照らしてくれるのなら、とてもキレイでしょうね。一度見てみたいものです。
2-7.Trieb ―雨為る森―
宮の森自然園という場所にある作品でした。宮の森自然園は信濃大町の豊かな大地を具現化した場所だそうです。こちらもこの場所自体が作品のようです。
この場所につくとスタッフの人にまず「クマよけの鈴」を渡されます。クマが出るかもしれないそうです。急にそんなこと言われて鈴を渡されたので、クマが気になってキョロキョロしてしまい、作品にあまり集中はできませんでした。
でも自然のなかでとても素敵な空間が広がっていました。森の沢の水をくみ上げ、森林から水がジャージャーと舞い落ちてきていました。
実際に出ているかは不明ですが、マイナスイオンを感じました。かつてないほどに。
自然の緑、太陽の陽、そこに舞い落ちてくる水、そんな森の中の空間はとても癒されました。やっぱり自然はよいですね。
2-8.Arc ZERO
仏崎観音寺の参道にかかる太鼓橋に、こちら側とあちら側の世界を通り抜ける「Gateway」ととらえ、橋を包み込む光る霧のリングを取り付けた作品のようです。
常に出ているわけではありません。定期的にプシャーっと霧が発生します。
水路付近に虹が発生していました。はしゃいで撮っているとカメラがびしょびしょに濡れました。
この奥に進むと、森の中に仏崎観音寺が出現します。
お賽銭箱もあってお参りも出来ましたよ。
3.宿泊した旅館
北アルプス国際芸術祭2017に行くにあたって、近くの旅館に泊まろうと思い「信濃の里 ときしらずの宿 織花」に宿泊しました。料理が自室で食べられないのは個人的に残念でしたが、おいしかったです。中は素敵な造りでしたよ。
旅館から見える庭もなかなか素敵でした。
すぐ近くには川があって、川辺まで降りることができました。
普段は川辺まで降りることなんてないので、とても気持ちよかったです。川の水もとてもキレイでした。
4.まとめ
以上が「北アルプス国際芸術祭2017で見た感動8作品」です。長野県の自然が堪能できて芸術作品にも触れることができるので、とても楽しかったです。
結構マイペースにまわっていたのですが、もう少し効率よくまわって、もっと多くの作品を見ればよかったなと少し反省しています。
次回は2020年に北アルプス国際芸術祭が開催される予定のようですので、また行きたいです。そして今回より多くの芸術作品と自然を堪能したいなと思います。