住宅を購入した時や新築した時に、親族からお金をもらって、そのお金を購入にあてた場合は贈与税の非課税申告が必要です。「どうせバレないだろう」とほったらかしにして後から請求がきたらたまったもんではありません。
非課税申告をすれば、限度額までの税金は非課税にできるので、親族からもらったお金を住宅購入するときに使った場合は、必ず申告しましょう。
難しそうな「贈与税の申告書」も国税庁のHPから必要項目を入力すれば、自宅で印刷できますので、まだ申告していない人はぜひ参考にして贈与税の非課税申告してください。
住宅を購入・新築した時は「住宅ローン控除」も同時に申請すると思いますので、「贈与税の非課税申告」も同時に申告すれば、ダブってる添付書類がひとつで済むので楽です。
「住宅ローン減税」の方法は住宅ローン控除(減税)を実際申請してみた【方法・手順・必要書類】に記載していますので、参考にしてください。
1.必要書類
まずは必要書類です。「贈与税の非課税申告」での必要書類は「何が必要」で「どこからもらう」のか?すぐ分からなくて結構イライラしますよね。今回の自分の体験をもとに必要書類をまとめてみました。
まず基本的な必要書類は下記の1~6の6種類です。
- 贈与税申告書(第一表と第一表の二)
- 戸籍謄本(受贈者の氏名、生年月日・贈与者が受贈者の直系尊属に該当することの証明)
- 本人確認書類の写し
- 建物・土地の登記事項証明書
- 請負契約書写し
- 源泉徴収票(原本)
必要書類だけではよくわかりません。「どこからもらうのか」または「どこで作るのか」が分からないと仕方がないですからね。下記にまとめてみました。
必要書類 | どこでもらうか |
---|---|
1.贈与税申告書 (第一表と第一表の二) | 税務署 又は 国税庁HPで作成・印刷できる |
2.戸籍謄本 | 法務局 |
3.本人確認書類の写し | もってますよね? マイナンバーカード 又は 免許証+マイナンバーを証明できる書類 |
4.建物・土地の登記事項証明書 | 法務局で取る 新築なら登記の時に書類もらってるかも |
5.請負契約書写し | 建てた建築業者からもらっているはず |
6.源泉徴収票 | 勤務先 |
この中で「住宅ローン控除」の申請も同時にする場合は、4~6は必要ありません。同時に申告すれば、ダブった添付書類は1通添付すれば大丈夫なのです。なのでなるべく同時に申告しましょう。
一見難しそうな「贈与税の非課税申告」ですが、「1.贈与税申告書(第一表と第一表の二)」さえ作成してしまえば、あとはすぐに用意できるか元々もっている書類です。さっそく「1.贈与税申告書(第一表と第一表の二)」を作成してしまいましょう。
2.贈与税の申告書の作成方法
贈与税の申告?黙ってればバレないでしょ!と思うかもしれませんが、結構バレるみたいです。あとで「あの時の税金払ってね」なんて言われたら大変なので、ちゃんと申告しましょう。申告すれば非課税になるんですから。
国税庁のHPで必要事項を入力すれば、自宅で作成・印刷することができます。結構簡単なんです。
選択によって変わるかもしれませんが、6枚くらいの書類がPDFで保存・印刷できます。実際に国税庁のHPから「贈与税の非課税申告」のための書類を作成した手順を、画面付きで説明しますので、これから申告しようと思っている人は、参考にしてください。
まずは国税庁書類作成コーナーで「作成開始」を選択します。
「税務署への提出方法の選択」が表示されますので、「印刷して書面提出する」を選択します。
推奨環境の確認やプリントサービスのご案内、利用規約の確認画面が表示されますので、確認してから「利用契約に同意して次へ」を選択します。
「作成する申請書類等の選択」が表示されますので、今回は「平成30年分の申告書類等の作成」を選択します。自分の年度に合わせて選択してください。
右側にある「贈与税」を選択します。
「贈与税の申告書作成開始(贈与税の申告書作成コーナーへ)」を選択します。
「平成30年分 贈与税の申告書作成コーナー」が表示されます。「提出方法の選択」「生年月日」を入力して「入力終了(次へ)」を選択します。
提出方法の選択
今回は最初の段階で「印刷して提出する」を選択してますので、この部分は「印刷して税務署に提出する」に最初からチェックが入っていると思います。確認してください。
生年月日
今回贈与を受けた人の生年月日を入力します。贈与税の非課税申告する本人ですね。
2-1.非課税の適用要件チェック(その1)
「非課税の適用要件チェック(その1)」が表示されます。ここでは、
- 過去の期間に「住宅取得等資金の非課税」を受けたことがあるか
- 資金の使途(お金の使いみち)
について答えます。
平成27年分から平成29年分の「住宅取得等資金の非課税」の適用有無を選択してください。
記載されている過去の期間に「住宅取得等資金の非課税」を受けたことがあるかを選択します。「はい」の場合は、非課税の適用ができないので、基本的には「いいえ」になるはずです。
資金の使途について選択してください。
今回受けた贈与を「新築を建てた 若しくは 新築の購入」に使用したか「増改築等」で使用したかを選択します。当てはまる方を選択しましょう。
答えたら「特例適用要件確認済として次へ」をクリックします。まだ特例の適用要件に該当するか確認をしていない人は、下にある「特例適用要件チェック」で確認することをオススメします。
基本的に「贈与税の非課税申告」ができる場合は、全て左側にチェックが入ります。
「受贈者」に関する事項
お金をもらった側のチェック項目です。
1.あなたは、贈与を受けた時において贈与者の直系卑属(子や孫など)ですか。
「お金をくれた人の直系の子や孫」ですか、ということです。ようするに今回お金をくれた人が「両親」や「祖父母」なら「はい」を選択します。
2.あなたの平成30年分の所得税に係る合計所得金額は、2,000万円以下ですか。
「合計所得金額」ってなんだ?と思いますよね。普通にサラリーマンで給与のみであれば、源泉徴収票の下図の赤枠部分「給与所得控除後の金額」部分の金額です。
「合計所得金額」が2,000万円以下なら「はい」を選択します。この部分が2,000万円以上ってどんだけ儲かってんねん・・って感じですよ。給与以外の所得がなければ普通のサラリーマンにいはまず無理でしょう。
ちなみに「合計所得金額」に関しては、国税庁のHPに詳しく記載があります。参考にしてください。
次の
と の合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です。 ※ 申告分離課税の所得がある場合には、それらの所得金額(長(短)期譲渡所得については特別控除前の金額)の合計額を加算した金額です。
事業所得、不動産所得、給与所得、総合課税の利子所得・配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額) 総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額 ただし、「
総所得金額等」で掲げた繰越控除を受けている場合は、その適用前の金額をいいます
3.あなたは平成21年分から平成26年分までの贈与税の申告で「住宅取得等資金の非課税」の適用を受けたことがありますか。
これは今回の「贈与税の非課税申告」は2回目じゃないよね?過去にやってないよね?ということです。記載されている過去の期間に「贈与税の非課税申告」を申請して適応を受けたことがなければ「いいえ」を選択します。
「住宅用の家屋の新築又は取得」に関する事項
今回「新築」又は「購入」した住宅の、「取得方法」や「取得日」等を答える部分です。
4.新築又は取得をした住宅用の家屋は、あなたの配偶や、親族など ~ したものですか。
これは配偶者や親族が経営している工務店や建築会社で家を建てていないよね?配偶者や親族が所有してた家を買ってないよね?ということです。
親族であれば特別に~と、契約金額を操作したり、不正な資金移動をしないように、こんなチェック項目があるんでしょうか?
配偶者や親族と関係のない工務店や建築会社で家を建てた場合は「いいえ」を選択します。
5.平成31年3月15日までに住宅用の家屋の新築 ~ 金額をその対価に充てましたか。
これは申告する年度で変わると思いますが、贈与を受けた次の年の3月15日までに、住居を「新築」又は「購入」するために、そのお金を使用して決済をしましたか?ということです。
次の年の3月15日までに完了していれば「はい」を選択します。
6.平成31年3月15日までに住宅用の家屋の新築の工事が完了 ~ 家屋の取得をしていますか。
「新築」又は「購入」した住居が、贈与を受けた次の年の3月15日までに完成(引渡し)したか?ということです。
これ知らないと間に合わないことあるんじゃないですか・・?新築で建てる場合は、工事遅延やご近所問題等で後れることもあるので、下記のように建造物として認められる状態であればよいことになっているみたいです。
新築に準ずる状態(屋根(骨組みを含む。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以 後の状態)
贈与を受けた次の年の3月15日までに完了していれば「はい」を選択します。
7.新築又は取得をした住宅用の家屋は日本国内にあり ~ 居住の用に供されるものですか。
「新築」又は「購入」した住宅は日本国内にありますか?「床面積」の合計が50㎡以上240㎡以下ですか?その「床面積」の半分以上が居住用ですか?ということです。
「床面積」は登記事項証明書の下図の部分に記載されていますので、確認しましょう。
すべて条件を満たしていれば「はい」を選択します。
住宅用の家屋の取得のための金銭の贈与を受けた方
今回「取得」又は「購入」した住宅の「種類」についての質問部分です。
8.【住宅用の家屋の「取得」をした人のみチェックしてください。】
基本的に「新築」なら①が該当します。中古で購入した場合は②~④が該当するはずです。
自分の場合はドコに該当するのか確認して「はい」を選択します。
「あなたの居住」に関する事項
9.贈与を受けた時に、あなたは、日本国内に住所を有し、かつ、日本国籍を有していましたか。
「両親」や「祖父母」からお金をもらった時に、日本に住んでいて日本国籍でしたか?ということです。
日本に住んでいて日本国籍だった場合は「はい」を選択します。
10.あなたは、既に新築又は取得した住宅用の家屋に居住していますか。
「新築」又は「購入」した住宅にすでに住んでいますか?諸事情で遅延している場合には12月31日までに住む見込みがありますか?ということです。
すでに住んでいる、又は12月31日までに住む見込みがある場合は「はい」を選択します。
すべてに質問に答えたら「入力終了(次へ)」を選択します。
2-2.非課税の適用要件チェック(その2)
続いて「非課税の適用要件チェック(その2)」が表示されます。ここでは
- 住宅の種類
- 契約年月日
について答えます。
住宅の種類についての入力
省エネ等住宅に該当するかしないかを選択する。該当する場合は「はい」を選択、しない場合は「いいえ」を選択します。該当するかしないかは家を建てた工務店や建築会社に確認すれば分かります。
今回は該当しなかったので「いいえ」を選択しました。
契約年月日の入力
これは請負契約書の日付を書けば大丈夫です。住宅を建てた・購入した業者との請負契約書を確認して入力しましょう。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書の提出についての入力
平成30年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書を提出した場合に入力する。
特にしていないので、今回は空欄のままにしました。
2-3.取得財産の入力
次に取得財産の入力をしていきます。「住宅取得等資金の非課税の適用を受ける財産」を選択します。
非課税の適用を受ける財産の入力 (一般住宅 住宅資金非課税限度額 700万円)
ここでは下記点を答えていきます。
- お金をあげた人の氏名や住所
- お金をもらった日付と金額
- 非課税の適用を受ける金額
質問が長いので、分割して説明します。
贈与者(財産をあげた方)について入力してください
ここは「お金をあげた人の氏名や住所」です。贈与者(財産をあげた方)の「氏名フリガナ」「氏名漢字」「住所」「生年月日」「続柄」を選択します。
財産を取得した日、金額等を入力してください。(1回目)
ここは「お金をもらった日付と金額」です。「贈与を取得した日」「財産の所在地」「贈与の金額」を入力します。
財産を取得した日、金額等を入力してください。(2回目以降)
贈与をしてもらったのが1回だけではない場合に入力します。
住宅取得等資金の非課税の適用を受ける金額を入力してください。
今回非課税の適用を受ける金額を入力します。
年度によって限度額は変更しますので注意して記入しましょう。
よほどもらっていない限りは大丈夫だと思いますが。限度額を超えるほどもらっている人は、うらやましい限りです。
取得財産の確認
入力した内容が表示されるので、確認して「入力終了(次へ)」を選択
「住宅取得等資金の非課税の計算明細書」が表示されるので確認して「次へ」を選択する。
「贈与税額計算結果表示」が表示されるので、確認して「次へ」を選択する。ここは贈与税の控除の限界額を超えていなければ0円になります。
2-4.住所・氏名等の入力
続いて「住所氏名等の入力」が表示されますので、
- 郵便番号
- 住所
- 申請書等を提出する税務署名
- 申請書等を提出する年月日
- 氏名(フリガナ)
- 氏名(漢字)
- マイナンバー
- 職業
- 電話番号
を入力して「申請書等作成完了/次へ」を選択します。
3.印刷する
さあようやく印刷です。結構長いので疲れましたね、もうひと踏ん張りです。下図の「印刷する帳票の選択」部分にすべてチェックが入っているはずなので、問題なければ「帳票表示・印刷」を選択しましょう。
「提出用書類」が下記の3点
- 贈与税の申告書第一表【提出用】
- 本人確認書類(写)添付台紙
- 贈与税の申告書第一表の二【提出用】
「控用書類」が下記の4点
- 贈与税の申告書第一表【控用】
- 贈与税の申告書第一表の二【控用】
- 「住宅取得等資金の非課税」のチェックシート・添付書類一覧
- 提出書類等のご案内
ありますが、基本個人でやる場合は初めての人が多いと思いますので「提出用書類」と「控用書類」の両方とも必要だと思います。なのですべてチェック入れたまま「帳票表示・印刷」を選択しましょう。
「帳票表示・印刷」を選択すると、PDFファイルがダウンロードされるのでクリックします。
無事PDFデータをダウンロードできたら、右下の「最後に印刷終了/次へ」を選択します。
3-1.申告書を印刷した後の作業について
ここでは印刷した後に、「入力データの保存」や「アンケートに回答」「入力した氏名や住所を利用して他の申告書等の作成」をすることができます。長いので下図は一部中略してます。
入力したデータを保存する
「入力データの保存」をしない場合は、これまで入力したデータはすべて削除されてしまうので、念のため「入力データを保存する」を選択しておいた方がよいと思います。
アンケートに回答する
「アンケートに回答する」は時間があればしておきましょう。今後さらに便利にするためには利用者の声が必要ですからね。
他の申告書等を作成する
「入力した氏名や住所を利用して他の申告書等の作成」することができます。住宅ローン減税の申請をまだ行ってない場合は、ここから申請しておきましょう。
全て確認・完了したら「終了する」を選択します。
4.書類を提出する
すべて完了したらいよいよ完成した書類を税務署に提出します。「提出期限」や「提出方法」「提出先」は決まっていますので、注意して提出しましょう。
今回は住宅ローン減税の書類と一緒に「郵送」で提出しました(簡易書留で郵送しました)。郵送の場合は
- 印刷した控え分の書類
- 自分の住所を記載した返信用封筒(切手貼っておく)
上記を同封することで、控え分の書類に税務署が受取印を押して返送してくれます。送っただけではちゃんと届いたのか不安になってしまいますよね。
そんな方は「控え分の書類」「返信用封筒」を一緒に同封して郵送しましょう。私の場合は郵送して6日後に税務署から返送されてきました。
4-1.提出期限
贈与をもらった年の翌年の2月1日から3月15日までにする必要があります。
4-2.提出方法
提出方法は
- 郵便又は信書便で送付(送料は自己負担)
- 税務署の受付に持参
- 税務署の時間外収受箱へ投函
以上のいずれかの方法で提出します。「郵便又は信書便」で送付する場合は、通信日付印が3月15日以前になる必要があります。
4-3.提出先
提出先は住んでいる地域の管轄税務署です。提出用にダウンロードした書類の中で最後のほうに「提出書類等のご案内(この紙は提出不要です)」というページがあります。
このページの右下に提出先の税務署の住所が記載されており、「郵便又は信書便」で送付する場合は、切り取って封筒に貼り付けることが可能です。
4-4.提出書類の確認
印刷した書類の中で「贈与税の申告書第一表」の確認をしましょう。下図の①緑枠の部分は
- 入力内容が正しく刷されているか
- 文字があふれて印字されていない場所はないか
- 訂正する場合は二重線引いて訂正印を押す
②赤枠の部分は自分の印鑑を押します。左上に日付が記載されていない場合は、手書きで提出する日付を書きましょう。
続いて「贈与税の申告書第一表の二」も同様に下図の①緑枠の部分の確認をします。
- 入力内容が正しく刷されているか
- 文字があふれて印字されていない場所はないか
- 訂正する場合は二重線引いて訂正印を押す
4-5.添付書類の貼り付け・確認
印刷した書類の2ページ目あたりに「添付書類台紙」がありますので、そこに「源泉徴収票の原本」と「本人確認資料のコピー」を貼り付けます。
贈与税の非課税申告をするために「贈与税の申告書」「本人確認書類添付台紙」と一緒に下記の書類を同封する必要があります。
- 戸籍謄本
- 源泉徴収票
- 請負契約書の写し
- 登記事項証明書
住宅ローン減税のために確定申告を同時にしている場合は「戸籍謄本」だけ添付すれば大丈夫なはずです。順に説明していきます。
「源泉徴収票」は、確定申告のときに提出していれば「贈与税の申告書第一表の二」の書類の下側に「提出日」と「提出した管轄税務署」を記載すれば添付する必要はなくなります。
「請負契約書の写し」と「登記事項証明書」は、住宅ローン減税の確定申告を同時にする場合は2通添付する必要はありません。1通で大丈夫です。
なので確定申告と同時にする場合は「戸籍謄本」が、贈与税の非課税申告を提出するときの添付資料となるはずです。
5.まとめ
以上が「贈与税の非課税申告を実際申請してみた【方法・手順・必要書類】」です。住宅ローン減税のために確定申告と同時に調べながら申請したので、結構大変でした。
でも選択する場所や記載する内容などが分かってしまえば、意外と簡単にできます。添付書類も住宅ローン減税と一緒に申請すれば少なくて楽ですし。
贈与してもらって新築したり住宅購入したりすると、限度額までは非課税になります。バレないと思って申請しないと後で面倒なことになるかもしれませんので、ちゃんと申請して非課税にしておきましょう。
同時に「住宅ローン減税」を申請する場合は、住宅ローン控除(減税)を実際申請してみた【方法・手順・必要書類】に詳しく記載していますので、参考にしてください。